食物アレルギーのためにがんばる人たち
藤田志穂のノギャルプロジェクト 「食」の未来を考える。

 

 秋田県大潟村―。
 かつて琵琶湖に次ぐ国内第2の大きさを誇る湖だったその場所は、1977年に国の干拓事業が完了し、気候と肥沃な土に恵まれた農村へと生まれ変わりました。

 

 山もなく、風通しのよい日本海側のこの村で、2009年1月、日本の「食」を見つめ直すため、あるプロジェクトを発足した女性がいました。

 19歳で起業した元ギャル社長の藤田志穂さん(24)―2008年末には、自らが興したシホ有限会社G-Revoの代表取締役を退任して、食育に関する活動を精力的に行ってきました。

 そんな彼女が、若者が食や農業に興味を持ってもらうキッカケ作りのために立ち上げた「ノギャルプロジェクト」は、昨年大きな話題となりました。

 そしてプロジェクトの一つとして、2009年10月に収穫を実現した「シブヤ米」。

そこには、藤田さんの「食」に対する思いと、飽食の時代に育つ若者達へのメッセージが込められていました。

 

 

「お米」に対する誤解

 国内自給率の低下、若者のお米離れなど、日本の「お米」にまつわる問題を予てから耳にしていた藤田さんは、雑穀米に関する講座を受講し、
自らがお米に対して間違ったイメージや認識があったことに気がつきました。
 かつて、学生時代やティーン誌などで読者モデルをしていた時代に行っていた"炭水化物抜きダイエット"。しかし実際には、米をきちんと摂ることは、日本人の体にとってとても大切なことであり、またこうした情報が一つのもととなり、日本人のお米離れ、さらには国内自給率の低下の問題につながっているということを知りました。こうして米の大切さを実感した藤田さんが、自らが先頭をきるノギャルプロジェクトの一環として、秋田県大潟村で、ギャル史上初のお米作りを始動するとともに、お米離れの傾向にある若者に呼び掛けを行ったのです。

「食の未来を考える」
安心して食べられるものを

 藤田さんが食の安全性に強い関心を抱いたのは、数年前に世間を騒がせた食の偽装問題でした。それまで何の疑いも持たず口に運んでいた
「食」に初めて不安を感じ、消費者の目には見えにくい製造過程や栽培方法に、安心や安全を強く求めるようになりました。毎日口に運ぶものだからこそ、安心して食べられるものを作りたい―そんな思いから、減農薬・減化学肥料にこだわったの「シブヤ米」の生産に着手しました。

「食の未来を考える」
シブヤ米のすごいところ~大潟村という環境について

 シブヤ米を育てた秋田県大潟村は、かつて湖だった場所を農地用に干拓した土地で、太古の昔から湖底に堆積された肥沃な土壌が、農産物の育成に優れた効果を発揮しています。また広大な土地に吹き抜ける強い風が、病害虫の蔓延を防ぎ、有機農業や低農薬栽培の実現を可能にしています。まさに農業に恵まれたこの土地を、渋谷のシンボルの一つ「忠犬ハチ公」が秋田県出身であるというコンセプトと一致して、今回の「シブヤ米」の生産場所に選びました。
 シブヤ米を作る田の面積は全部で24ha、これは東京ドーム5個分の広さになり、 そこから採れるシブヤ米は約130t。これだけ広大な土地で、シブヤ米はスタートしたのです。

「食の未来を考える」

 シブヤ米の品種「あきたこまち」は、粘りと甘みが強く、冷めてもおいしいので、おにぎりやお弁当にとても適しています。また特別栽培米として、秋田県農産物認証制度に基づく「減農薬・減化学肥料」の基準を満たしており、農薬・化学肥料ともに、通常の半分以下まで抑えて栽培されているので、小さなお子様にも安心してお召し上がりいただけます。

 「減農薬・減化学肥料」を実現させた稲作方法の具体例は、種子の温湯消毒、ハーブによる防虫、コメヌカを堆肥化する循環農業の実施です。

「食の未来を考える」
シブヤ米のすごいところ~農薬をトコトン抑えた生産方法

 種子消毒では、通常使用する農薬を使わず、"温湯消毒"という方法を用いました。これは60℃のお湯に10分間浸けるという方法で、手間や時間は勿論かかりますが、通常の栽培方法で使う農薬の1/10の量の農薬を減らすことができます。また、田んぼの端部分にペニーロイヤルという強いミントの香りを放つハーブを植えることで、病害虫を防ぎ、減農薬につなげました。さらに、お米を精米した際に生じるコメヌカを堆肥化し、田んぼに30kg/10ha散布する還元型農業を行うことで、作物にも環境にもやさしい稲作を実施しています。
 このようにして、安心の「シブヤ米」の栽培が進められたのです。

「食の未来を考える」
シブヤ米に思いをこめて

 こうして栽培、収穫された「シブヤ米」には、藤田さんの「食」に対する思いが込められていました。飽食の時代と言われる今、食べ物の大切さや、直面している食の問題にあらためて目を向けるキッカケとして提唱された「ノギャルプロジェクト」。それは、藤田さんの真剣な思いのもと実現された日本人への呼び掛けだったのです。藤田さんは、その思いを特に若者達へ伝えていくことで、次世代の食文化を正しく築く礎にしたいと語ります。

 今後は、2009年好評だった「ママとちびっコで行く野菜収穫ツアー」や、シブヤ米の米粉を使った加工食品の製造・販売、野菜を使った基礎化粧品の製造なども考えているそうです。

 藤田さんの「ノギャルプロジェクト」は、形を変えてこれからも続きます!

「食の未来を考える」
藤田志穂さんのプロフィール

藤田 志穂(ふじた しほ)

千葉県出身、1985年生まれ。

高校卒業後、ギャルのイメージを一新させる「ギャル革命」を掲げ、19歳で起業しシホ有限会社G-Revoを設立。
ギャルの特性を活かしたマーケティング業務を特化し、さまざまな商品開発やプロモーションを行う。
またギャル社長としての経験を活かし、さまざまな講演会にも出演。さらに自ら積極的に環境問題やエイズ予防活動も行っている。
そして2008年12月に社長を引退し、現在は食の問題について活動をスタート。
若者が食や農業に興味を持つキッカケを作るため「ノギャル」プロジェクトを立ち上げ、秋田県での「シブヤ米」作りや、ギャルママ野菜収穫ツアー、イケてる農作業着企画など、さまざまな角度からプロジェクトを展開中。

■藤田志穂オフィシャルブログ「ギャル社長はどこへいく!?」■

藤田志穂オフィシャル写真

私たちがノギャルです!

「食」について真剣に考える


 「食」にまつわる問題には、さまざまなものがあります。近年増加の傾向にある食物アレルギーも、その一つかもしれません。農業の現場にいる人の苦労に、都会の人が気づかないように、アレルギーに悩む人たちの現状を知らない人も多いでしょう。

 「食」に共通するさまざまな問題を、それぞれの立場や目線から考え、ともに情報共有しながら解決に導いていくということは、とても大切なことだと考えます。

 藤田さんの活動は、そんな食の問題を「農業」という目線から考え声に出して呼びかけた、食の明るい未来への大きな一歩でした。藤田さんの今後のさらなるご活躍に期待です!

 

 

 
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